2008年11月29日(土) しめ縄作り最盛期
宮忠で働いている者にとって、この12月は本当にあっという間に過ぎていく1年の中でも一番の繁忙期です。この12月は注連縄(しめ縄)の製作と出荷に追われます。毎日朝から夜中まで追われ通しと、毎年ありがたく嬉しい悲鳴を上げています。今日はその注連縄作りを少し紹介させていただきます。
先の日記(2008年9月1日 23ページ目)で紹介しましたように、夏の間に刈り取った青藁(写真1)を材料に先日まで一生懸命作ってきた注連縄の本体に紙垂(しで)や門符(もんぷ)・橙(だいだい)などを取り付けていきます。この工程を「飾り付け」と呼んでいます。
先ず本体の形をもう一度整えてから(写真2)和紙で出来た紙垂を付けていきます(写真3)。この和紙は神宮大麻(御神札)に使われている和紙を漉いている紙屋さんに特別にお願いをして漉いていただいています。説明しなければただの和紙ですが、宮忠ではこだわっています。紙垂が付いたらその上に重ねるようにして門符を本麻苧で結び付けます(写真4)。この門符は神宮の御用材として用いられるのと同じ木曽桧の官材を柾目取りにした木札を使用しています。この門符に書かれている文字には『笑門』『蘇民将来子孫家門』『千客萬来』『商売繁盛』などがあります(写真5・6)。
特に『蘇民将来子孫家門』(写真7)は裏面にも文字が書かれています。セイマンの印・ドーマンの印と『急々如律令』です。これらは取り付けられて門符を持ち上げて裏面を覗き見ないと見えませんが、ちゃんと書かれています。宮忠の注連縄はこれらの文字が立派で良いと、お褒めいただくことが多いです。麻苧も本麻生を使用しています。神様のお供え物などを結ぶときにもこの麻苧が使われています。この門符や麻苧にも宮忠のこだわりがあります。最後に橙を取り付けて完成です。
工場の敷地内に植えられた橙の実も少しずつ色付き始めました(写真8)。今年も皆様の一年のお幸せを祈りつつ一生懸命に注連縄を作らせていただいています(写真9)。
お手元に届く日を楽しみにお待ちくださいませ。