2025年3月5日(水) 『鳥居製作』
丸型笠木の鳥居製作をしています。
今回の鳥居は、通常の角型笠木を持つ鳥居とは異なり、笠木・貫ともに丸形状の神明鳥居です。各部材の接合部の精密な加工が必要となり、特に柱との接点部分の墨付けが重要な工程となります。
まず、柱に対して適切な加工を施すための墨付けをおこないます。角型笠木の鳥居であれば、ホゾの形状は直角になりますが、今回は丸型笠木を使用するため、柱の胴付の部分も笠木の丸みに合わせて加工する必要があります。

ホゾの墨を書き終えた後、笠木の丸みに対応したベニヤ板を型として使用し、柱の胴付部分に正確な墨を入れていきます。この墨付けの作業が鳥居全体の組み合わせの精度を左右するため、慎重におこないます。

墨を入れた線を基準にし、まず不要な部分を丸鋸と手鋸を使って取り除いていきます。粗削りが完了した後、鑿を用いてホゾの部分を形作り、さらに丸鑿を使って柱の胴付部分を墨通りに丸く加工していきます。


ここからは、笠木の形状に合わせた微調整の工程に入ります。笠木・柱・貫のすべての部材は、職人がひとつひとつ手鉋を使って丸めているため、微妙な太さや形状の違いが生じます。そのため、接合部分に隙間ができないよう、慎重に調整します。

微調整の作業は非常に繊細で、職人の技術が試される重要な工程です。笠木・柱・貫の接点がすべて隙間なくぴったりと合うように、鑿をいれながら調整します。

最終的に、柱・貫・笠木がしっかりと接合し、美しく仕上がった丸笠木型の鳥居が完成します。
