2012年7月18日(水) 『八足案の製作風景』
現在、3台の八足案を各お客様よりご注文いただきましたので、寸法も材料も違う八足案を同時に製作しています。私が様々なところで目にする八足案は、ほとんどが宮忠で製作する八足案よりも"きゃしゃ"に見えてしまいます。
手前味噌な話で申し訳ないですが、特別材料を厚くしているわけではないのに、"バランスのとれた良い八足だな~"とできあがった製品を眺めながらいつも思います。
八足案の顔である天板は、綺麗な木目を選んで使います。地桧製のものは奥行がさほど大きくなければ一枚板を使います。板目材になりますので反りを防ぐ加工が最も必要となる材料です。(写真1)
桧の代用材として使われるヒバやスプルースは、板を柾目で剥ぎ合わせ、一枚の天板にしていくのです。こうすることで反りを防ぐことになり、良いものができあがります。
一枚板での製作もいたしますが、価格が驚くほどの値段になってしまいます。太い木から綺麗な材料を挽き出すのは大変なことです。一本の木から一枚出たらホッとする程の確率であったりします。(写真2)
天板と足を繋ぐ上下桟(かみしもさん)はホゾで組んでいきます。(写真3)
両方の材料がピシッと付くのが良い仕事です。
材料の目も、前に使うもの、中に使うものを選別します。年輪の向きも使い方に宮忠では決まりがあります。"言われてみればなるほど"といったこだわりがいたる所に散りばめられた宮忠の八足案は自信をもってお薦めできる神具です。(写真4)(写真5)
八足案は神具の中でも代表的なものです。お供え物や玉串などにと用途は様々です。(写真6)
良い無垢の材料を使用した宮忠の八足案は、全国でご利用いただいています。