2012年6月13日(水) 『木曽桧製 龍上彫神鏡台』
この彫刻製品の始まりは、お客様より「中国製のヒバ製の物ではなくて木曽桧で造ってほしい」とのお電話から宮忠で製作させていただくことになり規格製品となりました。
まず、原図を書いていくところから始まります。イメージ図を見ながらデザインの改良をしていきます。鉛筆などの細い線では雰囲気がつかみ難く、出来上がりの感じが良くわかるように筆と墨で書かれた原図は勢いも出ていいデザインが出来ました。(写真1)
木取が終わった材料に下絵を描いていきます。(写真2)
粗彫りの始まりです。下絵は彫ることによって消えてしまいますが描き足すことはあまりせず、最初に描いた絵を感覚のまま彫り進め製作は進んでいきます。彫刻に使う「鑿」(のみ)は写真の通りかなりの数を使います。(写真3)
角度や幅、曲がりなど様々な形を表現していくのに使いやすく、その時にあった道具を選んで彫り出してゆくのです。机に出ているだけでなく写真の引出には、これまた沢山の「鑿」が入っています。「彫刻刀」とも呼ばれる道具は彫刻師が使うものは総称して「鑿」と呼びます。(写真4)
粗彫りが終われば次はいよいよ「仕上」の彫りに入っていきます。当たり前のことですが良く切れる状態で仕上ていきます。彫刻の仕事は駆け出しの弟子の頃には主に仕上げを任されます。四角の材料から形を彫り出していく粗彫りが彫刻の重要な部分になるという事です。(写真5・6)
おかげ横丁宮忠にはこの「木曽桧製 龍上彫神鏡台」を展示しております。是非一度お客様の目で宮忠の彫刻をご覧くださいませ。
龍上彫神鏡台(リンク:新しいタブで一覧ページを開きます)