2007年10月31日(水) 天理社8尺型完成しました
8尺型にもなりますと大きすぎて、組み立てたまま運ぶことが出来ませんので、一度仮組みしたものをパーツ別に分解して運ぶことになり、4トンのアルミバントラックに一杯の部材になります。
現場に着いて最初に屋根から運びますが、屋根部分を分解して再組立しますと時間が掛かり過ぎてしまいますので、屋根は組んだ状態で運びます。大きな屋根ですので階段で運ぶことが出来ませんので、ビデで組み上げた足場にユニッククレーンで吊り上げます。
手元を離れて吊り上げられると、足場に下ろされるまでハラハラ・ドキドキです(写真1)。
足場の上では屋根を受ける為に作った専用の受け台に慎重に下ろしていきます(写真2)。
さてこれからは人力で運ぶのですが、お客様にお願いをして20人程の力自慢の方に集まっていただきました。屋根と専用受台を合わせた重さがどれだけあるのか計ったことは無いのですが、たぶん350~400㎏程有るんじゃないかと思います。神輿の担ぎ棒のような要領で組まれた専用受台で皆さんに吊っていただき、足場から室内に入るスロープを慎重に慎重に進みます(写真3)。
屋根の搬入も無事に終わり、次は土台部分の搬入です。土台部分は何とか階段で運ぶことができますので人力で搬入します(写真4)。この土台も相当に重いです。階段の下側に回っていただいた方は階段を上がるたびに重さが増して大変だったことと思います。土台の搬入の後は宮下台・胴部分の部材の順に運び込みます。
一息入れてから今度は屋根部分を据付場所の天井近くまで吊り上げます。胴部分まで組み上げてから屋根部分を手で持ち上げて組み立てるのは至難の業ですので、先に吊り上げておくのです(写真5)。この作業も左右のバランスに気をつけながら左右で引き上げる人がお互いに声を掛けながら慎重に吊り上げていきます(写真6)。ここで廻りの漆喰壁に傷を付けたり、屋根部分を傷めたりしては大変ですから緊張の連続です。
屋根部分の吊り上げが済んだところで、宮下台・宮土台と据付場所に組み上げていきます(写真7)。土台が座ったら今度は胴部分です。順次柱を立てて胴部分を組み立てていきます(写真8)。翌朝一番にまた皆さんに出合いしていただき屋根部分を下ろす予定ですので、照明をつけて今日中に胴部分を仕上げるのに一生懸命です(写真9)。
二日目、朝一番の元気なところでいよいよ屋根部分を胴部分に乗せていきます(写真10)。工場では何度も乗せたり下ろしたりしているので間違いは無いのですが、やはりスムーズに組めるか緊張でピリピリします。
皆さんのご協力をいただき、お陰様で無事に屋根部分も組み上がりました。神床(かんどこ)の格天井が素晴らしいですね(写真11)。
残る袖部分も組み上げられ最後の点検をしているところです(写真12)。このころになるとやっと気持ちも楽になってきます。最後にお鏡を据えて完成です(写真13・14)。
組み上がったお社の前で記念写真を撮っていただきました(写真15)。今回は、自分たちだけでこれだけ大きなお社を手がけるのは初めての二人(写真右側の二人)が製作させていただきましたが、若いだけあって隅々まで良く目が行き届き素晴らしい仕上がりです。
職人の道を志してから11年目の二人にとってもこの時が一番に嬉しく、やりがいを感じた時だと思います。また、この仕事に掛かり始めてからほぼ半年、いろいろな重圧に耐えながらやってきてくれたことと思います。ご苦労様でした。
今、工場ではこの8尺宮の両横に据えるお社2社を二人が製作中です。11月18日にこの2社を納入させていただく予定ですので、また来月には3殿が揃った写真を皆様にご紹介させていただきます。