2007年11月22日(木) 続編・三殿完成しました
この両殿のお社は、屋根の形が箕甲片流造りで厚みのある屋根の形が特徴となっています。材料は8尺型と同じく全て木曽桧の柾目を使用した最高級のお社です。
8尺型に比べると今回のお社は小さいので、お社を土台・胴・袖・屋根・扉の5つに分割して手吊りで搬入し、現場にて組み立てていきます。(写真1)
先ず最初に宮台を据え付けるのに、現場の床との間に隙間が出ないかを確認し、この宮台の上に宮土台も仮置きし、同じく隙間が出ないか確認してから組み立てていきます。(写真2・3)今回は現場の床下に潜り込んで床板を少し締め上げさせていただきました。
次に両殿の胴部分を組立て(写真4・5)袖を取り付けていきます。(写真6)
ここまで組み上げたら、据付場所に運んでいよいよ屋根部分の組立です。両殿お社の屋根は8尺型に比べるとずいぶんと軽く、胴の上に乗せるのもチェンブロックは不要で、人手だけで十分に乗せていけます。(写真7・8)
今回も両殿共スムーズに組み立てることができピシッと決まり、良い雰囲気の中で作業が続きます。これも工場で何回も念入りに確認・仮組みを繰り返しやってきた賜物です。
ここまでくれば後は内陣天井を張り、内陣厚畳を入れ扉を組み立てて完成です。厚畳は上質の畳表に5尺型は繧繝(ウンゲン)縁、4尺5寸型は銀七宝紋縁で仕上げています。先に納めさせていただいた8尺型には金七宝紋縁を用いています。(写真9・10)
最後にお鏡台の座りを確認します。両殿のお鏡台も8尺型のお鏡台と同じデザインで彫り上げています。今回は彫刻の里、富山県井波を代表する彫師さんの作で素晴らしいお鏡台が出来上がりました。(写真11・12)
三殿の社が揃って、立派な神殿が引き締まったように思います。(写真13)
神殿の内装も総木曽桧の無垢材造りです。木曽の桧が少なくなっている中、このような立派な建築がいつまで出来るのかフッと心配になる今日この頃ですが、この素晴らしい神殿に、数ある神具店の中から宮忠にご指名いただき、お社を納めさせて頂けたことは光栄であり、この上ない喜びであります。ありがとうございます。
また来年の夏頃から別所にて同じく8尺型を中心に三殿のお社を製作させていただけることになりました。今回に勉強させていただいたことを基にもっと良いものが出来るように精進していきたいと思っています。
恒例の記念写真です。皆さんお世話になりました、ありがとうございます。(写真14)