工場長の製作日記 95ページ目
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2024年10月30日(水) 『鉋』
仕事をするのに欠かせない道具に鉋(かんな)があります。
とくに鉋はお社、神具を製作するのに使用頻度が高い道具のひとつで、伊勢宮忠のお社や神具には細部にいたるところまで面取りがほどこされています。
面取りとは、木材の角を45度の角度で木を削る加工のことで、角張りが無くなり、ささくれなどを起こさなくします。また、手触も良くなり怪我を防ぎ、掃除をする際に引っかけて破損を防ぐ効果もあります。
この加工をする道具が鉋です。
鉋は常に刃の切れ味を良くしておくのが大切で、面取りの仕上がりや作業効率がよくなります。
新しく入社したスタッフには、最初に刃物研ぎを覚えてもらいます。この刃物研ぎがなかなか難しく思うように研げません。刃物の角度に合わせて手を固定するのが特に難しく、慣れていないと研げば研ぐほど刃が丸くなってしまい、刃先が木材に当らなくなり削れなくなってしまいます。上手く研ぐにはひたすら研いで身に付けるほかありません。
写真に写っているスタッフも今年入社した大学卒業の女性スタッフで刃物研ぎに奮闘中です。
これから一人前の職人になって活躍してくれるのが楽しみです。