2024年4月4日(木) 『神鏡台雲板彫刻 粗彫り』
大まかに形や輪郭を彫る工程を粗彫りと言います。
下絵に合わせて様々な彫刻刀で勢いよく彫り進めていきます。
彫刻をしていく上で重要なのは、高低差を考えて彫っていくことです。
必要な部分と必要でない部分を頭の中でしっかりとイメージして大胆に鑿(のみ)で落としていきます。
その際、必要以上に落としてしまうと最終の完成の形が変わってしまいますので注意が必要です。
次に、輪郭を形作る作業に入ります。
輪郭を彫り進めていく上で、どの大きさの鑿を選ぶかによって作業効率や見た目に大きく影響します。
そのため彫刻師は、様々な大きさ、様々な曲線の鑿を数多く作業場に並べて彫り進めていきます。
粗彫りとは、最初の高低差を出す作業と輪郭を彫り進める作業、全体の構図やバランス、イメージを頭の中でしっかり具体的に作り、作業を進めていかなければ次の工程である仕上げ彫りに影響が出る重要な作業です。
彫刻の修業に入る時は、まず仕上げ作業から手伝いを始めます。この事からも、彫刻で粗彫りがいかに重要であるかということが分かります。
どの鑿を選び、どのように彫り進め、作業をするかを見極める彫師による長年の経験と勘が仕上がりを左右します。
弊社では神鏡台やその他の彫刻についても、自社の彫刻師により一つ一つ丁寧に心を込めて彫刻を施しております。