2007年6月5日(火) 『福鈴』
宮忠店頭では1年ほど前から『福鈴』と名付けた鈴を置いています。鈴の大きさは1寸と8分の2種類です。
この鈴は今まで店頭にて取り扱っておりましたものとは違い、錺職人が一つ一つ手打ちで作り上げた鈴です。
地金の厚みは普通のものと比べ物にならないくらい厚く、この地金を鏨(タガネ)と金槌で叩いて作り上げた鈴です。
鈴には本金鍍金が施されていますが、表面は小さな四角い面の集まりになっています。
普通の鈴は表面をつるつるに磨いてから鍍金を掛けるのですが、この『福鈴』は私のこだわりで磨きをかけずに手で打ち出した跡をわざと残しています。
職人が精魂込めて打ち出した跡を消したくない、ここまで手を掛けていることを見て頂きたい、これが値打ちなんだと思ったからです。
普通の鈴の中にはよく金属の棒を切って入れたり、小さな石ころを入れたりしてありますが、ここにも職人のこだわりが有ります。
金属棒を切って入れるのは同じですが、良い音を出すことを追及した結果、この切り口に独自の加工をしています。
この鈴を黒塗り台の上に錦の茵(シトネ=座布団のようなもの)を重ね、ここに『福鈴』を置いています。
日本の伝統工芸を受け継いできた錺職人が手間を掛けてこだわって作ったこの『福鈴』。
店頭で『福鈴』の音色を聞いて下さったお客様はその澄み切った音色に感心していただきます。
何故今日まで当ホームページでご紹介させていただかなかったのか私も不思議に思っているのですが、来月あたりには宮忠ホームページからもお求めいただけるようにしていきます。
現在は8分があるだけで1寸は品切れになっていますが、今月の末頃には3~5個出来上がる予定をしています。
お値段は1寸が7,140円(税込)、8分が6,090円(税込)(注:2007年当時)と高いですが、数がなかなか出来ないこともあってか、品切れになっていることも多く、いつご来店下さいましてもあるとは限りませんが、伊勢にお越しの折には是非、宮忠店頭でこの素晴らしい音色をお確かめ下さいませ。