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工場長の製作日記 18ページ目

2008年2月1日(金) 中山寺 様 お社修理

写真1

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写真4

写真5

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写真7

写真8

写真9

写真10

写真11


中山寺(ちゅうざんじ)様は、慶安4年(1651)妙心寺137代住持愚堂東寔(とうしょく・1579~1661)〈大円宝鑑国師〉に帰依した亀山藩主石川昌勝が願主となり、当時の山田奉行石川大隅守の援護を受け、神宮の内・外宮中間のこの地に開山したもので、宗派県下第一の古刹です。

また伊勢西国三十三所観音巡礼地の第5番となっています。
お伊勢まいりと共に、もう一つのお伊勢まいりとして古くから続く歴史ある巡礼地だそうです。

この中山寺様からお堂の改修工事に伴い、大正時代に造られたお社の修理を承りました。

このお社の傷んだ状況は、屋根廻りは垂木(たるき)がところどころはずれ、垂木の木口に付けられていた金箔のようなものはほとんど剥がれていました。またこの垂木の上に張られた垂木の伏せ板は虫食いやシミが多くずいぶんと傷んでいました。(写真1・2)

階段下の浜縁や胴部分の天井板も虫食いが多く全体に傷んでいました。(写真3・4)

土台部分はネズミがかじったようであちこちがずいぶんと欠けていました。(写真5)

また欄干部分も傷んでいました。(写真6)

扉板もホゾが痩せがたつきがあり、全体の錺金具(かざりかなぐ)の金色の輝きが無く、くすんでしまっていました。

これらの傷んだ部分を、なるべく古い材で傷んでいないものは残し、弱くなっている所は補強し、完成しましたので、この1月末にお届けさせていただきました。

屋根廻りは材もずいぶんと傷んでいましたので、垂木とその伏せ板は新しく取り替えました。
金が剥げた垂木の木口には本金鍍金の錺金具を取り付けました。
バラバラになっていた垂木も整然と並びしっかりと修理できました。

扉上部の幕板も虫食いで生が無くなり内部がボロボロになっていましたので取り替えました。
扉板はホゾのがたつきを直し、扉を開けたときにギーと音が出るように調整しました。(写真7)

土台は正面の一本だけを残し、他は全て新しく取り替え、浜縁板も新しく取り替えました。(写真8・9)
扉、欄干廻りの錺金具も全て洗い鍍金直しで修理し輝いています。

改修工事を終えたお堂に据えなおし、左右のお社や幕、祭具を所定の位置に戻して完成です。(写真10・11)

今回の修理でも思ったことですが、修理の場合、表面から見えた部分は良く分かってどのように直すか見当も付き易いのですが、いざ仕事に掛かって傷んだ部分を取り外しますと、内部に思わない修理を必要とする部分が出てくることが多々有ります。

この場合、その修理部分をまた見積させていただくことになるのですが、何より時間は融通がきかないということです。
ですからこのような修理の仕事に掛かるときは、なるべく早くお出しいただき、時間に余裕を持って取り掛かることだと再認識いたしました。

今回も傷んだお社がすっかり綺麗になり、お喜びをいただきました。ありがとうございます。

宮忠は製造販売をしています、神棚・神祭具の専門店ですので、新調だけでなく、このような修理も承っております。

謂れのあるもの、大事なものなど修理の必要なときにはお声掛け下さいませ。

工場長の製作日記 18ページ目
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